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Yukiko's Column
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 第3回 「Content-based(コンテンツベース=内容中心)で楽しい英語学習」

渡辺 由紀子

 皆さん、新しいブログ記事、しばらくお待たせいたしました。夏休みは、英語の絵本でサマーリーディング活動を楽しんだ方もいらっしゃると思います。夏はスケジュールがいっぱいでちょっと乗り遅れた、という方は、ぜひ、読書の秋、を英語の絵本で始めてみませんか。絵本は、子供たちの心の栄養となるすぐれた教材です。そして大人にも、英語はリズムの良い楽しい言語であることを思い出させてくれる素材でもあります。また、最近小学生だけでなく、大人や幼児のファンが増え続けている(株)mpiのバナナチャンツシリーズなどは、正しい英語の発音、アクセントを、楽しみながら身につけられるユニークで効果的な本です。
 なぜ絵本やバナナチャンツがウケがいいのでしょうか。それは、中身=内容が面白いからです。先生やおうちの人が、「バナナじゃなくて」というと、子供がCDの音声を上手にまねして“banana”という。そのやりとりも、ちょっとしたコミュニケーションになっていますね。子供が面白いと思う内容で、英語を使ってみたいと思う活動ができると、英語が生きたコミュニケーションツールになります。

    
       

小学校の頃迄は、見たり聞いたりやってみたりと子供たちは身体を使って言語を学んでいます。特に低学年、中学年は、全部がわからなくてもだいたいの意味がつかめて楽しめれば、リズムにのってくり返したり、歌ったり踊ったり、絵本を音読したりしながら言語を吸収できる貴重な時期です。右脳も左脳も言語を効率よく吸収するのはその頃までがピークと言われ、だんだん言語吸収は左脳だけの役割になっていってしまいます。そうなると、残念なことに、意味がわからないと楽しめなくなってくるのです。外国語に早く慣れ親しむのが必要である理由は、脳の発達にも深く関係しているんですね。

 ここでは、家庭でもできる、コミュニケーションにつながる英語のやりとり、教え込まないで楽しんで学ぶ身近な活動をいくつかみていきましょう。
学校の授業で習う英語では、Do you have a pen ? ( ペンもってる?) やDo you want some milk ?  ( 牛乳いる?) の答えは、いずれも Yes, I do. No, I don’t. になります。でも実際の会話では、Do you have a pen?( ペン持ってる?) – Sure. Here you are.(うん、どうぞ) や、Just a minute.(ちょっと待って) Do you want some milk ? – Yes, please. (うん、ちょうだい)または No, thanks.(いらない、ありがとう) などとなることがほとんどです。そんな、実際によく使うやり取りをお家の中で今日は何回使えるかな、と親子で数えてみるのも面白いと思います。初めは例となる会話表現があると始めやすいですね。たとえば、(株)mpiの「英会話たいそう」には、そんな練習にもってこいの98表現がピックアップされています。生活の中で、状況も伴った状態で、Ouch! ( いたい!)-Are you all right?( 大丈夫?) Where’s the telephone?( 電話どこ?)-Over there.( あっち ) なんていう日常会話を英語で始めてみると、英語のほうが早くて使いやすい、という場面も多々出てきて楽しい発見があるかもしれません。幼児の皆さんには、Hot Bookで、あっちっち、や、もっと、などの一言表現もおすすめです。

          


次に、子供たちの大好きなカードで簡単に盛り上がる活動があります。好きな食べ物や動物など子供の興味のある分野の絵カード(もちろん英語が書かれていてもいいですが、文字学習に入る前の子供の場合、無理やり読ませたりはせずに、視覚的に記憶に残るかな、という程度に考えて使います)を用意します。時間があれば英単語も書いて手作りも楽しいですね。それを、ただフラッシュカードとして見て言うだけでなく、紙コップタワーにしていきます。最初は、英語で名前を言うだけで楽しめるでしょう。慣れたら文章を入れていきます。たとえば、I like oranges.とカードを見せて言えたら、紙コップをふせて置いて、その上にカードをのせます。次に、I like cookies.と言えたら、1枚目のカードの上にまた紙コップをふせて置き、cookiesのカードをのせます。その要領で、カードを使って英語が言えなかったり、タワーが倒れたら交代、というルールでゲームのように遊びます。子供たちは、英語を覚えさせられて言っているのではなく、タワーを積み上げたいので、英語が言いたくて自分から覚えます。カードを積み上げる人が先生になって、見ている人が先生の言った英語をくり返すことにしておくと、みんなが発話して参加する活動になるのでさらに盛り上がります。

では、数字を楽しく覚えるにはどんな活動があるでしょう。フラッシュカードとしてどんどん数字を言っていく。トランプの数字を読んでみる。1じゃなくてoneのようにチャンツにしてみるという単純作業も使ってちょっと音の練習をしたら、クイズ形式で実際に数をかぞえる形で遊んでみるのも楽しいです。下の図を見てください。それぞれの三角形の中に、いくつの三角形が隠れているでしょう?答えを最初に英語で言った人がポイント獲得!子供たちは一生懸命数えます。答えの確認に一緒に英語で数を数えれば、これは数を知りたいという気持ちの伴った意味のある活動になり、数字も自然と身につくことにつながります。

          

 トランプを使ったNumber fight(勝手に名前をつけてます)というゲームも楽しいです。1年生で足し算を習ったらできる活動です。最初は、1~5のトランプを二人にそれぞれ配ります。One, two, threeの合図で、1枚ずつ机の上にトランプを出して、2枚のトランプの数字をはやく足して答えを英語で言ったほうが勝ち、となり、2枚ともトランプをもらえます。たくさんトランプをとったほうが勝者! 慣れてきたら、2ケタの数字にも挑戦します。ナナとナインを間違えたり、サーティーンをあわててサンティーンと言ってしまったり、間違いを笑って遊べるゲームでもあります。(負けて泣いてしまう子には、ちょっと大きくなってから紹介してみてください。)足し算の概念がわかった子供達には意味のある面白いくり返しの活動となります。内容を面白くすることで、子どもたちはいつの間にか反復練習を楽しみ、いつも間にか英語も習得しているというわけです。

また、幼児は絵本や歌、チャンツでたくさん単語や表現を身につけられますね。家の中でする動作(歯磨き、髪をとかす、ボタンをとめる、)などは、This is the wayの歌を歌いながらしてみてください。子供の好きなとんだりはねたりの動作はWalking, Walkingの歌をかけながらするとますます楽しくなります。家の中の物の名前は、In a People Houseなどの絵本と見比べて英語で言ってみると、家の中のものが面白くみえたりします。見たり聞いたりして耳から学習している子供たちには、DVDやCD、CD付き絵本は、言語吸収のための宝箱です。そしてそれをお友達やお家の人、先生と使うことによってボキャブラリーを増やしていけます。英語の歌にあわせた手遊びもたくさんできますね。移民が多く、英語教育が大変すすんでいるイスラエルで出た研究結果では、学校の休み時間などに手遊びをたくさんする子供のほうが、文字がきれい、スペルミスが少ない、文章力がある、ということがわかったそうです。手を使うことと脳の発達は密接に関係していることから考えても納得がいきます。


            

 このように、言語というのは、使って楽しんで習得していくのが自然の形です。間違ったらバツ、ではなくて、間違いながら覚えて使えるようになります。私は3人子供がいますが、それぞれチョコレートをコチョレート、エレベーターをエベレーター、と言ったり、「みんな~」と全員に声をかけるのに「みんなたち~」と言ったり、たくさん間違いながら言葉をマスターしてきました。人とのコミュニケーションのために言葉を使いながら、いつのまにか正しく使えるようになっています。
日本語も、間違えながら、覚えてもまた忘れながら習得していっている時に、英語だけ一度ならって使ったから、といって完璧に覚えてなんでも正しい発音で言える、なんてことはありえませんね。色々な形で英語を使いながら英語脳を作り上げていけるといいと思います。

      

子供の発達段階の特徴もつかみ、意味がわかり楽しめる活動と英語をつなげていくと、本当の意味で子供の中で英語がコミュニケーションのツールとなっていきます。CDを流して、口ずさむ歌が英語になっていくと、インプット大成功です。お家の中でも少しずつ英語の量を増やして、バイリンガル脳へのスタートをきってみてください。


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