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Yukiko's Column
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 第2回 「楽しい『多読』へのステップ」

渡辺 由紀子

 Time flies. 時間がたつのは早いですね。2013年ももう半分近く過ぎようとしていますが、竜巻tornadoが起きたり、まだまだびっくりすることが続いてます。そんなニュースも、英語でも読めると、日本のことだけでなく世界の情報もすぐに知ることができて、ちょっと得した気分になれそうです。

「多読」という表現を耳にされた事がありますか? 総合的な学習能力が身につく、ということで、最近さらに見直され、多読学会も活発に活動しています。多読は、文字通り多くの本を読むのですが、辞書なしで楽しみながら読む、というのが基本で、まずは知らない単語が、全くないか1冊中3~4語のものを選んで読みます。楽しくなかったらやめて他の本を読む、という感じですすめます。でも英語を習い始めたからといって、いきなり読めるわけではないですね。英語で読めるようになるには、文字に親しむ前からのステップが大切です。まずは、多読に入るまでのステップを一緒に見てみましょう。

< ステップ1 >
まず、聞く、話す(歌う)、の段階をなくして読む段階には入れません。歌、チャンツ、絵本、で英語の音に親しみ、発音、イントネーション、言葉遊び、などで音を聞き分ける脳をしっかり鍛えましょう。mpiの教材でレッスンを進めているP&Oでは、ここできちんと土台つくりができますね。楽しく歌ったり踊ったり、は子供にとって最高の学び方です。その後、先生の読み聞かせやCDで、絵本のセリフを覚えたり、絵本をまるごと一冊覚えて言えるようになったりします。ここでは、まだ絵と音声で覚えていて、文字をたどって読んでいるわけではないので、読書の疑似体験です。この頃は、CDで音声を聞きながら絵を楽しんだり、単語を形で認識したり、声に出して言ってみたりして、プロソディー(発音、アクセント、イントネーションなど)を身につけます。そして、楽しんで遊びながらだんだんとアルファベットの文字を認識できるように文字遊びをいれます。(Funny Alphabet, All About ABC, Superstar Songsなどを使います)

< ステップ2 >
アルファベットを覚えたら、次はフォニックス(文字と音の関係)を学んで、今まで聞いたり歌ったり話したりしていた単語を読んで楽しめるようにしていきます。アルファベット26文字の名前と音のあとは、段階を追って、ルールにあてはまる単語の読みから練習します。(日本語は、文字の名前と音が同じなので、いぬ、と書いて、いぬ、と読みますね。でも、英語では、dogと書いてディーオージーではなくてdogと読むので、英語圏の子供たちもフォニックスなどで読み方を学ばないと読めるようにはならないわけです)例えば、各文字の音と、phでfと同じ音がでる、と知っていればelephantが読めるように
なる、という具合です。フォニックスのルールが身についていれば、日本で発行されている中学校の教科書の70%以上の単語がルールにあてはめて読める、と調査の結果わかっています。

さあ、このステップ2のフォニックスの導入のあたりから、フォニックスリーダーの登場です。P&Oで貸出をしているmpiのBBL(Building Blocks Library)のレベル1、2,3は、それぞれのルールを学んだ後に実際の読みに使えるよう、ルール別の単語をうまく組み合わせて、楽しい絵で意味もわかるように工夫されたリーダーです。作者のグレンさんは、新聞記者や大学の講師としてReading とWritingを長年専門にしてきた文才のある人なので、信頼できるリーダーです。BBLは、SEG(科学的教育グループ)の協力も得て出版されましたが、SEGは長年英語の多読の研究に携わり、多読の授業で成果をあげています。そして何より効果音も入って楽しく聞けるCDも強い見方です。まずは自分で読んでみて、CDで音を確認して、さらに正しく上手に読み進める手助けになります。ステップ1から積み上げてきた子達は、本を読んでいくときに頭の中に流れる英語がきれいな発音で正しいリズムにのっていることでしょう。(小学生のフォニックス、DVDでフォニックス、Active Phonics、We Can Phonics Workbook等と並行してBBL1~3を使います)


         
       

< ステップ3 >
フォニックスも学んで読みの入口を通過したら、「多読」に入ります。BBLのレベル4~9は、レベル1で登場したTomとその友達が成長しながらいろんな体験をしていくストーリーなので、子供たちは、自分の成長と重ねあわせて楽しめるようになっています。本の後ろに書いてあるYLという数字でYL(Yomiyasusa Level読みやすさレベル)が表示されているので、本を選ぶめやすにできます。(YL0.0~9.9まであり、レベル0(YL0.0~0.9)=語彙250語のようになっています)YLの詳細と、リーダーの選び方は、こちらのサイトでご覧ください。
http://www.seg.co.jp/sss/review/osusume.html

 一般的に、「多読」には、Graded Readers(グレイデッド・リーダー=学習用段階別読み物)を使います。英語学習者が、読書スピードや流暢さを身につけ、読むことを楽しむように書かれた本です。BBLもその中の一つです。Graded Readers(グレイデッド・リーダー)を使う利点は、
1)理解可能な多くの文や表現にふれることができる
2)読書力を、段階的に、徐々にステップアップさせることができる
3)ネイティブレベルの本を読むまでの橋渡しになる
というような事があげられます。

 「多読」が言語能力の発達に良いたくさんの理由の中から、6つほどみてみましょう。

1)自然な文脈の中で使われる表現に出会い、言葉が現実にどのように使われるか知ることができる
2)大量の本を読むことで数多くの単語や文系に繰り返し出会い、使い方が自然に身につき、次にどんな語句や文型がくるか予測できるようになる
3)読書の速度が上がり、より流暢に読めるようになる。その結果、脳内の言語処理が自動化され、脳に他のことを記憶する余裕がうまれる
4)多読により、自信、やる気、楽しさが増し、読むことが好きになるので、言語学習への不安が減り、言語を効果的に使えるようになる
5)自分に適切なレベルの英語を大量に読んだり聴いたりするので、読みや聴き取りの良い習慣ができる
6)英語のセンスが磨かれるので、文脈の中で文法がどのように働くのか勘が養われ、深く理解できるようになる
というわけで、「多読」は、脳の発達にも良さそうですね。

では、皆さんが英語の本を選ぶときのお役立ちサイトをさらにいくつかご紹介します。

1)BBL(Building Blocks Library)はmpiのHPをのぞいてください。
http://www.mpi-j.co.jp/store/list.php?c11=15&sc=1

2)英語絵本クラブの多聴、多読ステーションでは、1700冊以上の本が立ち読み、試聴できます。YL(読みやすさレベル)で分類されてます。誰でも無料で登録できて、新着絵本の情報など満載です。
http://www.kikuyomu.com/

3)多読教材をYL(読みやすさレベル)で表にしたもの、多読教材例、はこちらで見れます。
http://www.seg.co.jp/sss/word_count/YL.html
https://www.seg.co.jp/cgi-bin/bscart/bscart.cgi

4)英語のサイトですが、多読学会から良い多読教材として受賞した作品が見られます。
http://www.erfoundation.org/erf/gradedreaders

ぜひ、レベルにあった本選びに上記サイトも使ってみて下さい。立ち読みサイトで読めるところだけ読んでみるのも楽しいと思います。

国際多読教育学会(the Extensive Reading Foundation)では、分速150語~200語以上で読めるもの、初心者はもう少しやさしいものから始めましょう、と提案しています。(日本の小中学生は80語以下、高校生、大学生は80語~100語から、が現実的なようですが、ゆっくりでも楽しめていれば大丈夫です。)

多読をするときの基本三原則
1)辞書は使わない 2)分からないところは飛ばす 3)つまらなくなったらやめる

日本語に訳さなくてもわかるまで英語を吸収するよう多読をしていくには、目指せ100万語、とよく言われます。目標高くちょっとづつ、楽しい本との出会いを楽しもう!と始めるといいかもしれません。英語の本を辞書なしで楽しくたくさん読んで、英語力、総合的な学習能力、に磨きをかけられたらいいですね!


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